こんにちは。時短父さんです。

米コングロマリットの3M(MMM)が8月1日に2つのプレスリリースを発表していました。

一つは、3M Completes Sale of Gas and Flame Detection Businessで、6月初旬に発表していた、セーフティ・インダストリアル部門のうちのガス・炎を検知する機器などを製造する事業の売却が完了したとのことです。売却先は、デジタル画像機器や関連するソフトウェア、航空宇宙と防衛分野のエレクトロニクス等を手がけるテレダイン・テクノロジーズ(TDY)で、売却額は2.3億ドルでした。
TDY

売却対象となったのは、Oldham、GMI、 Detcon、 Simtronics、Scott Safetyなどのブランド名で販売していた検知機器事業です。ただし、Scott Safetyのブランドのみは、3Mに残るようです。同事業の全世界売上高は1.2億ドルです。
GAS detection

当事業の従業員500人は、テレダイン社に移籍します。

2.3億ドルでの売却は、希薄化後EPSをおよそ0.20ドル押し上げると、3Mは見込んでいます。そのうちの0.07ドル分については、既に第2四半期決算で「売却目的保有資産」として計上していました。残りのおよそ0.13ドル分については、後日計上されるようです。


もう一つのプレスリリースは、3M Scores Major Legal Victory in Bair Hugger Litigationです。

こちらは医療機関に提供している、Bair Huggerシステムに関わる訴訟についてです。同システムは、手術中の患者の体温を測定し、維持する体温測定器システムです。
bair huger 1 bair huger 2

プレスリリースによると、連邦地裁は3Mの同システムに対する訴訟を退ける決定をしました。同決定は、手術中に使用している体温測定器システムが患者を苦しめているとして、患者側原告団から訴えられていた5000以上もの訴訟を退けるものです。

今回の決定の6ヶ月前にも、ミネソタ州高等裁判所にて61のケースについて、訴訟を退ける決定がありました。

連邦地裁の決定を受けて、3Mの幹部はホッとしていることでしょう。医療部門の幹部は「原告側から彼らの主張を支持する科学的な証明がなかった。全てのケースで、訴訟が棄却されたことは喜ばしい。」コメント。

さらに「最も重要なことに、同機器システムはFDAなどの専門機関にも支持されていることを患者や医療従事者に分かってもらいたい。3Mの体温測定器システムは、患者にとって安全で効果的かつ効率的だと証明された」とコメントしました。

今回の訴訟の一部では、原告側の主張において、3Mと競業関係にあるAugustine Temperature Managementという会社が関与していた模様です。同社の創業者は長年に渡って、3Mに対するネガティブキャンペーンをしていました。

3M Bair Huggerシステムは、手術前、手術中、手術後のいずれのシーンにおいても患者の体温を測定し、維持するために使用されています。過去30年間に3億回以上も使われています。これからも、世界中の医療機関で使い続けてられるでしょう。

とプレスリリースは締め括られていました。

ご存知の通り、3Mは様々な業種が集まった複合企業です。3Mというと、ポストイットなどの文具をすぐに思い浮かべるかもしれませんが、ガス・炎検知器や医療従事者向けの体温測定器なんかも作っていたんですね。実に幅広い分野に事業を展開しています。そのため、(特に製造業なので)製品に関する訴訟リスクは他社よりも大きいのかもしれませんね。今回は全訴訟棄却という完全勝利になりましたが、次はいつ、どんな訴えが起きるか分かりません。投資を続けるにあたっては、頭の片隅に入れておいた方が良いですね。

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