こんにちは。時短父さんです。

米建機メーカーにキャタピラー(CAT)という会社があります。主にショベルカーやダンプカーなど建設現場で活躍する車体を製造・販売している会社です。日本の工事現場では黄色い車体の「KOMATSU」をよく見かけますが、「CAT」のロゴの建機もたまに見ますね。
ダンプカー

何となく会社のイメージはつきますが、投資家目線では見たことはありませんでした。ダウ構成銘柄の一角でもありますし、建機メーカーは世界の景気動向に敏感ですので、知っていて損はありません。そんな動機からキャタピラーについて調べてみました。


まずはどんな商売をしているのか?セグメント別の売上高を見てみます。
セグメント別売上高 2018年
2018年の売上高をセグメント別で示したものです。
建設事業とエネルギー&輸送事業が約4割を占めています。資源事業が1.5割です。0.5割だけ金融サービス事業もやっています。
建設事業は、一番イメージしやすいです。建設現場で使用するショベルカーやダンプカーなどの建機を作っています。またそれら建機を使用する顧客をサポートしてもいます。
資源事業は、主に鉱山で使用する建機関連を製造し、それらを使用する顧客をサポートしています。
エネルギー&輸送事業は、石油やガスなどの輸送事業をしています。米パーミアン盆地での石油パイプラインにおいては同社のエンジンが原油輸送で活躍しています。地域によっては鉄道も所有しています。

では、地域別の売上はどうでしょうか?
地域別売上高 2018年
北米が約5割を占めています。次いでアジア・太平洋で2割強、EAME(欧州・アフリカ・中東)で2割強となっており、ラテンアメリカが1割弱です。売上高の半分以上を北米以外で稼ぐ、多国籍企業、まさにグローバル企業の代名詞的な存在ですね。
日本でもCATの文字を見るのも納得です。

2018年の売上高を見てきましたが、以前からとその他利益の推移は、以下のようになっています。
業績推移

2015年~2017年の売上高は落ち込みましたが、550億ドル~600億ドル前後で推移しています。ちなみに日本のコマツも健闘してまして、建機メーカー世界2位ですが、その売上高は約247億ドルです。キャタピラーはコマツの2倍の売上高ということです。

営業利益率は10%~15%で推移しています。

2016年に最終赤字に転落しましたが、翌年すぐに黒字転換しました。1株利益も2018年には伸長しています。

下にキャッシュフローの推移を示しました。
CF推移
2011年と2012年は投資CFが増えており、フリーCFがマイナスとなっていました。その後は投資CFは抑制されていて、フリーCFはプラスを維持できています。比較的きれいなキャッシュフローの推移です。
2014年以降の営業CFマージンは12%~14%で、安定して推移しています。2013年は18%ありました。

では高配当・連続増配株投資家としては、キャタピラーの配当政策も気になるところです。
以下に配当の推移を示しました。
配当推移

同社サイトで確認できる範囲では1996年から毎年連続増配しています。年数にすると23年連続です。増配率はかなり波があって、業績の影響を受けやすいのかなと推察します。2016年に最終赤字になりましたが、その翌年の増配率は0.6%でしたから。
まぁ、それでも減配しないのですから、優秀ですよね。

直近5年間の株価チャートは以下の通りです。
5年チャート
2016年の初めは60ドル前後だったのが、2017年まで一気に右肩上がりで170ドル前後まで行きましたね。この時は世界経済の見通しは明るかったと思います。
しかし、2018年の米国利上げきっかけに下落し、米中貿易摩擦の懸念から乱高下しました。現在まで下落傾向は続けています。
ただし、その代わりに配当利回りは3.35%と高配当株と呼んでもいいくらいの水準になっています。

景気敏感株であることは間違いないので、景気が良いときはその恩恵を大きく受けることができそうです。ただしポートフォリオを組み入れる場合は、ディフェンシブにし過ぎるくらいでいいと思います。現在高配当で、株価がボックス圏内であれば、次の株価上昇に備えて仕込んでおくのはアリです。でも次の好景気がいつ来るかなんて、誰にもわかりませんが。

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