こんにちは。時短父さんです。

メアリー・バフェット著の『億万長者を目指す バフェットの銘柄選択術』(日本経済新聞社)という本のなかで、コカ・コーラの12年後株価予想をしている章(コカ・コーラ株の期待収益率と実績)があります。本書で12年後と言っても、1988年時点からの12年後ですから、2000年のことを指しています。

この章では、将来の1株あたり利益(EPS)から株価と期待収益率を計算する方法を紹介しています。
1988年当時のBPS、PER、ROE、配当性向と言った指標を用いて、バフェットがコカ・コーラ株に投資した際の銘柄分析を再現しています。

まずは同書がどのような分析方法を行ったのか振り返ります。

1988年時点のコカ・コーラ社の指標は以下の通りでした。
 BPS 1.07ドル
 EPS 0.36ドル
 配当 0.15ドル (EPSの42%)
 内部留保 0.21ドル (EPSの58%)
 ROE 33.6%
 ROEが内部留保に対応する部分 19.4%(33.6%×58%)

これらをもとに2000年までの予想表が下の通りでした。
1988-2000年の予想表
BPS×ROE=EPSですので、1988年のEPSは、1.07×33.6%=0.36となります。
BPSの計算は、ROEのうち内部留保に回す19.4%分だけ成長させていくだけで、1989年のBPSは1.27ドル(1.07×1.194)となります。それを2000年まで繰り返していきます。

またPERを15倍~25倍で設定したうえで、株価予想も試みており、それが以下の表です。2000年時点の株価は45.30ドル~75.50ドルの範囲に収まると予想しました。
株価予想2000年

同じ手法を用いて、今後12年間の指標と株価を予想してみたいと思います。

用いる指標は以下の通りです。
 BPS 3.98ドル(2018年実績)
 EPS 1.51ドル(同上)
 ROE 38%(同上)
 PER 25倍 
 配当性向 90%

※現在は30倍程度の水準ですが、業績見通しが良くないこと、成熟企業であることから25倍としました。
※ここ数年の配当性向は100%前後となっており、今後も高い傾向が続くとしても90%程度が妥当だと判断しました。

すると、以下のような経過をたどることがわかりました。
2030年の株価予想
2030年のBPSは6.23ドル、EPSは2.36ドル、配当は2.12ドル、株価は58.98ドルという結果になりました。
現在実際の株価は45ドル程度で、PERが30倍であることを考えると今は少し買われ過ぎなのかもしれませんね。ただ長期的に見れば、45ドルでも割安と見ることができます。

これはあくまで予想であり、12年という長い期間の予想です。しかもROEや配当性向が12年間同じだという前提に立っています。従って、この予想から振れることは大いにあり得ます。

しかし、安定したキャッシュフローが見込める企業の場合、その傾向は維持される可能性は高いと思います。そのため投資判断の材料の一つとしてこの手法を用いることは有意義であると言えます。コカ・コーラ株だけでなく、他の銘柄分析でもやってみたいなと思います。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村 株ブログ 配当・配当金へ

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術
メアリー・バフェット
日本経済新聞出版社
2002-05-20