こんにちは。時短父さんです。

日本たばこ産業(JT)は、カナダの現地小会社JTI-マクドナルドが健康と喫煙に関する集団訴訟において、現地裁判所から17.7億カナダドル(1480億円)の支払いを命じられたと発表しました。

JTは内容を精査しており、上告も含めた対応を検討中です。

支払いを命令されたからと言って、今すぐJTの業績に悪影響を与えるとは限りません。JTのアニュアルレポート2017によれば、JTはこれまでいくつもの訴訟を起こされてきましたが、一度も敗訴したことはなく、和解金も支払ったことはありません。

JTは世界中で現在20件程度の訴訟案件を抱えていますが、そのうち18件がカナダで起こされています。しかし、敗訴が0の実績を踏まえれば、1480億円全額を支払うことはないと予想できます。支払いを受け入れる事態となる場合でも、大幅に減額されるでしょう。

仮にJTが1480億円の支払いを受け入れた場合、2019年12月期決算に与える影響としては、純利益40%程度の減益要因になります。

JTに限らず、たばこメーカーは規制や訴訟をたくさん経験してきましたが、これまでそれらを乗り越えてきました。規制強化や訴訟が起こされる度に、たばこメーカーの株価は下落します。しかし、たばこ株に投資する株主は値上がり益が狙えないのは承知しており、それよりも配当を重視しているはずです。株価が下れば、投資家は安く買えますので、むしろ株主は喜んで買うことができます。
株式投資の未来 163ページ

ジュレミー・シーゲル著『株式投資の未来』では、フィリップモリス(PM)も過去に何度も訴訟や規制の影響を受けたことで、株価の上値が抑えられてきたと説明しています。しかし、配当を受け取り、それを再投資して持株数を増やした投資家の最終的なトータルリターンは、S&P500指数を上回りました。

従って、今回JTが1480億円もの支払いを命じられたからといって、株主は悲観的になる必要はありません。一時的には株価に影響するでしょうが、じっとしておく方が賢明です。

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