こんにちは。時短父さんです。
先日、13年ぶりに卒業した大学を訪れ、ゼミを担当していた教授の最終講義(安全保障論)を受けました。テーマは、「リアリズム国際政治と日本」。講義を聴いて、投資に通ずる部分があるなと感じたので、記事にしました。
キーワードは「焦りと傲り」。これらが国際政治を動かす意思決定要因だと言います。
「焦りと傲り」の代表例として、ツキュディデスの古典で、アテネやスパルタなどとの戦い(ペロポネソス戦争)を描いた『戦史』を取り上げます。
『戦史』にはこんな話があります。
アテネの使者クレオンが、ピュロスに駐屯するアテネ軍に援軍を送り、スファクテリア島に陣取るスパルタ兵を全滅させると豪語して出兵したところ、たまたま起きた山火事によって、スパルタ兵300名弱を捕虜にできました。
ピュロスでの幸運により、アテネは過信を強めました。つまりアテネを傲らせてしまいました。過信を強めたアテネは、シシリー遠征で思い掛けない敗北を帰してしまいます。
人が過ちを犯すのは「目前に降って湧いた幸運に禍いされて、さらに多くを求めるからだ。・・・思慮ある人間ならば、幸運とは常ならぬものと知るゆえに、幸運としか逃さぬように収めておく。」(『戦史』より)
『戦史』を研究した教授の言葉を借りれば、「人間は今よりさらに多くを獲得しなければ安心できない弱さを持っているのかもしれない」のです。
『戦史』から読み取れる「焦りと傲り」は投資や資産運用においても、通ずるところがあると思います。
まず焦りについて。
よくあるのが、自分以外の周りが儲かっていると聞くと、焦るパターンです。
例えば、仮想通貨。仮想通貨に投資して、億り人になったという情報が入ると、それまで投資をしたことがない人、または堅実に貯金してきた人が仮想通貨投資に乗り出すわけです。

仮想通貨が株式や不動産のように、それ自体が価値を生むわけでもないのに、彼らはその違いに気付いていませんでした。結局ソッコーで金持ちになりたがった人たちの多くは、仮想通貨の大暴落に見舞われ、資産を溶かしたのです。
もう一つは、いわゆる狼狽売りです。幸いにも投資対象の価格が上昇していても、突発的に急落することがありますよね。上昇中はしっかりとリターンを得ていたのに、急落とともに資産を売却してしまうケースです。
先の教授の著書から引用すれば、「人は新たに得たものもやがて日常化すると、それが失われるかもしれないと思う時に不安になります。(中略)不安を抑えるだけの能力や自信や時間がなければ、それはやがて焦りとなり、焦りは不安を刺激」します。
ブームに乗り遅れたらいけない!、置いていかれる!と焦る気持ちはわかります。不安ですからね。焦りは人を軽率な判断・行動に導きます。焦りを感じたら、一度立ち止まって考えることが大切ですね。
次に傲りです。
傲りは過信とも言い換えられます。自分の力は強く、有能だと信じ過ぎてしまうことですね。自分の力や能力を信じるのは悪いことではないです。正しく認識・評価できていれば、むしろパフォーマンスを向上させられます。
しかし、傲りは怖わい。何故なら、自分が傲っていると自覚できないからです。
バブルになっているにも関わらず、まだ価格が上がると過信したり、さらに得をしたいと追加投資したりする。そのバブルは自分の能力を遥かに超えたところで起きているにも関わらず。そしていつかバブルは弾けます。
バブルに限った話ではありません。2017年の強気相場で投資を始めた人も多いでしょう。たまたま強気相場に乗っかっただけなのに、自分の銘柄選択やタイミング投資の腕を過信して、売り時を逃したり、買い時を逃したりするのです。

アテネという都市国家は、焦りと傲りで自滅しました。個人投資家の場合、自滅は破産を意味します。
焦りと傲りを克服するにはどうしたら良いのでしょうか?
焦りと傲りを克服するには、まずは現実を受け入れることです。現在の資産や収入、家族構成などの現実です。
どんな人でも資産額に見合った投資比率は概ね同じでしょうから、そこから逸脱することがないようにする必要があります。収入に対しても同じことが言えます。初心者は、レバレッジを効かせて(借金してまで)投資をすべきだとは思いません。家族構成も大事な要素です。子供がいれば、将来の教育費を貯めていかねばなりません。子供のことを思えば、無理な投資はできませんよね。
どんな人でも資産額に見合った投資比率は概ね同じでしょうから、そこから逸脱することがないようにする必要があります。収入に対しても同じことが言えます。初心者は、レバレッジを効かせて(借金してまで)投資をすべきだとは思いません。家族構成も大事な要素です。子供がいれば、将来の教育費を貯めていかねばなりません。子供のことを思えば、無理な投資はできませんよね。
そして経験を積むことで、焦らず、傲らず投資に向き合えると思います。
経験が浅ければ、全ての事象が初めてです。株価暴落で焦り、強気相場で傲るといったところです。しかし、歴史は繰り返します。全く同じ事象は起きないものの、似たようなことは何度も起きています。
何度か経験していれば、暴落に焦らず、強気相場に傲ることもないでしょう。


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