こんにちは。時短父さんです。

誰でも一度は使ったことのある「ポスト・イット」ですが、こちらは米国のスリーエム(以下、3M/ティッカーはMMM)という会社が作っています。身近な製品を作っている企業なのに、意外と知らないかったので、少し調べてみました。

歴史
3Mは、1902年米国ミネソタ州で設立された歴史ある企業です。もともとは、研磨ホイールに適した鋼玉(コランダム)を発掘することを目的にしていました。しかし採掘できたものは粗悪だったので、すぐにサンドペーパーの製造販売へ業態転換したそうです。このサンドペーパーがヒットしたため、研磨剤技術、接着・接合技術、コーティング技術がスタートしました。
1925年には「マスキングテープ」、1930年には「セロハンテープ」を発売。1960年代にはヘルスケア市場に参入。1980年代には「ポスト・イット」を発売。2000年代には日本国内の交通機関へのラッピング広告が浸透。
現在はダウ平均の構成銘柄でもあります。

主な事業と売上構成
事業別売上構成
主な事業はインダストリアル、セーフティーグラフィックス、ヘルスヘア、エレクトロニクス&エナジー、コンシューマーの5つです。

インダストリアルは、作業現場を支えるテープや研磨材、フィルター材などを通して産業分野を支えています。同事業は、売上高の3割強を占めている稼ぎ頭です。

セーフティーグラフィックスは、広告、自動車、建築物のグラフィック製品や内装仕上げ材、安全衛生製品を製造しています。同事業は売上高の2割弱を占めています。

ヘルスヘアも、売上高の2割弱を占めていて、医療用製品、スコッチ・ボンドを使った歯科用製品、食品・安全衛生製品を担当しています。

エレクトロニクス&エナジーは、電力ケーブルやコネクタなどで社会インフラを支えています。

コンシューマーは、「ポスト・イット」や「スコッチ・メンディングテープ」などの文具やオフィス用品、「スコッチ・ブライト」など家庭用品を作っています。売上高に占める割合は1.5割と、全事業のなかでは最低比率です。

地域別売上構成
3Mは全世界に販路を持っています。最大の市場は本国アメリカで、売上高の4割を占めています。
次いでアジア・太平洋地域が3割、ヨーロッパ・中東・アフリカで2割、カナダ・南米で1割となっています。
地域別売上高推移
過去3年分の推移を見てみると、米国は連続して増収となっています。
他3地域は、2015-2016年は減収となっていますが、2017年は揃って増収です。なかでもアジア・太平洋地域の伸びが顕著ですね。

業績・財務分析
過去の業績はどうでしょうか?
業績推移
ここ7~8年の年間の売上規模は、300億ドル程度です。売上高は頭打ちの感がありますが、営業利益は伸びていますね。
EPSも2008年は4.89ドルでしたが、2017年は7.93ドルと増加しています。

CF推移
3Mは、その事業特性から研究開発などの投資費用が掛かりますが、毎年のフリーCFはプラスで推移しています。フリーCFがプラスということは、営業で稼いだキャッシュが外部に流出しにくいことを示しています。
また営業CFを売上高で割った、営業CFマージンは20%前後で推移しています。

配当推移
配当については文句はありませんね。フリーCFがプラスで推移しており、キャッシュは潤沢ですので、株主還元にも積極的になれます。連続増配年数は58年となっています。配当性向も極端に高いわけでもなく、増配余地を残しています。

株価
株価もすばらしいですね。一時的な下落はあるものの、確実に上昇しており、綺麗なチャートです。現在は米中貿易戦景気後退懸念から相場全体が下げているので、3M株も売られています。
直近の配当利回りは2.85%ともう少しで高配当株の仲間入りです。

資本材セクターは好況期に人気化するので、これまでの強気相場で株価は伸びていました。弱気相場入りするとの懸念で下げていますが、実態経済自体は悪くないようなので、この局面で仕込むのはアリかもしれませんね。

3Mは時短父さんの保有銘柄ではありませんが、業績・配当・株価と三拍子揃っているので、新規投資も検討してみても良いかなと思います。

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