こんにちは。時短父さんです。

12月2日プレジデント・オンラインに
「生活費の切り詰めはいつか破綻する
毎月10万超を投資"服ヨレヨレ男"の無謀 」
という記事が掲載されていました。

30代半ばの独身男性(Iさん)が家計の見直しを家計コンサルタントに相談した内容が書かれていました。
記事のポイントは以下のようでした。
【Iさんの状況】
・将来の不安から、生活費を切り詰めて毎月10万円超を投資に振り向けていた(手取り収入の1/3)。スーツはヨレヨレ、髪も髭は伸び気味。
・確定拠出年金やつみたてNISAの運用利回りが8~10%で上手くいっていると思い、更に投資額を増やしたい。
・現預金は10万円のみ、投資総額は200万円とバランスが悪い。

【家計コンサルタントのアドバイス】
・今の暮らしをないがしろにしたり犠牲にしたりするのは残念なこと。もっと暮らしを楽しみ、多くの経験をし、今後の自分の発展に向けて努力することも、その年代だからこそ大事なのではないか。「自己投資も、将来への投資」。
・将来に向けて蓄えていくことは大切だが、人生における「今」は今しかない。

記事を読んでみて、違和感がありました。
Iさんはそもそも何故、何を相談したかったのでしょうか?
資産家でもない普通のサラリーマンが投資をして資産を増やそうとするには、生活費をある程度切り詰めて資金を捻出するしかありません。投資の基本は節約です。
手取り収入が30万円あるなら、そこそこの給与水準だと思います。住居費に多くて10万円、食費に2~3万円、水道光熱費や通信費に1.5万円などと想定していけば、毎月10万円超の投資は現実的でしょう。

トーマス・J・スタンリー著『となりの億万長者』によれば、米国の金持ちの多くが、普通の職業に就いていて、日頃から倹約を徹底してるそうです。倹約によって捻出した資金をインデクスファンドなどに預けて資産を築いているのです。
つまりIさんのやっていることは、投資家(しかも米国のお金持ちと同じ)としての基本を押さえているので、むしろ褒められるべきだと思います。
だから、Iさんが何故、何を相談しにきたのか良くわからないわけです。
多少身なりがみすぼらしくとも、本人がそれを気にせずに、株式投資を真剣にやっていたのなら、それで良かったんじゃないかと思うわけです。

記事では家計コンサルタントが投資以外に「自己投資」を勧めていて、Iさんも資格取得の勉強を始めたみたいなことが書いてありました。しかし、株式投資も立派なスキルですよ!倹約に努め、資金を捻出し、一貫した投資戦略を実行するのは並々ならぬ精神力とスキルが必要です。
何か資格を取得しても、結局会社のために働き続ける社畜であることには変わりはありません。独立するとか、起業するとかなら話は別ですが、リスクが大き過ぎます。それより株式投資で資産を増やして、早期リタイアする、セミリタイアする方がより確実だし、よっぽど希望が持てます。希望がない節約は苦しいだけですが、希望がある節約は楽しいとさえ感じるでしょうね。

時短父さんならIさんに以下のようにアドバイスすると思います。 
①投資も節約もやりたいようにやったら良いです。ただし資産額または不労所得の目標金額を決めましょう。ただ将来が不安だからというだけでは、一体いつまで投資のために節約をしたら良いのかわかりません。1億円の資産を作る!とか、年間の不労所得を100万円までとする!とか、目標を数値化するば、今何をやるべきか、いつまでそれをやるのかがはっきりします。

②生活費の半年〜1年分の現預金と投資用の余裕資金は確保しましょう。Iさんの場合、確かに貯金10万円というのは少な過ぎる気はします。投資をしている間も貯金が必要な理由は、不測の事態に備えるためです。給与がなくても半年〜1年は最低限の生活ができるようにすべきです。
また投資用の余裕資金があれば、市場が暴落した時に狼狽売りをせずに済むだけでなく、積極的に買い増すことができますから。

いずれにせよ、節約・倹約はサラリーマンが投資用資金を捻出するための基本中の基本です。これを怠らず、愚直に積立投資していた者だけが将来大きな果実を手に入れることができるでしょう。