こんにちは。時短父さんです。

観光庁は10月の訪日外国人旅行者が264万人に達し、同月としては過去最高だったと発表しました。観光庁長官によれば、このままのペースで行けば、年間3,000万人を超えるとのことです。政府は2020年までに4,000万人にすることを目標にしてます。

ここ数年、過去最高を更新し続けている外国人旅行者数。海外からのお客さんが増えて喜ぶ国内の関連産業(運輸、宿泊、旅行、観光、小売など)は幅広く、経済的な恩恵を受けています。
経済的な意味合い以外でも、文化的な交流を通じて相互理解が深まる、日本を知ってもらうなどの効果もあります。

訪日外国人が急増しているからといって、手放しで喜べない事情もあります。
それは、決して日本が魅力的だからという理由だけで訪日しているわけではないことです。
あなたが海外に行く時に気にするものは何ですか?為替ですよね。10万円が何ドルになるか、何ユーロになるかです。自国通貨が他国通貨に対して、強ければ現地でたくさん消費できますし、逆に弱ければ消費は少なくなります。自国通貨安なら、そもそも海外に行こうという気はあまり起きませんよね。

現在では1ドル110円前後で推移していますが、1971年までは1ドルは360円で固定されていました。その頃までは日本人は海外旅行に行きづらかったし、行けたとしても旅費は高くつきました。
1985年のプラザ合意を経て、円高が進行すると、日本人の海外旅行は一気に増加しました。この時期はバブル経済と重なるので、社会全体が潤っていたというのもあると思いますが。いずれにせよ、相対的に日本の国力が拡大した時期でした。
日本人出国者数とドル円レートの推移

翻って現在はどうでしょうか?
我が国の経済はバブル崩壊から完全に立ち直ったとは言い難く(30年近く経つのに!!)、経済成長は鈍化しています。
世界に目を向けると、今だに米国一強状態は続いています。2000年代に入ってからの中国の経済成長は目を見張るものがあり、BRICsに代表される新興国の存在感は増しています。特にアジア諸国の成長は著しい。世界中の多く国では所得が拡大して、海外旅行くらい行ける中間層が急増しました。経済が成長すれば、その国の通貨は強くなりますから、所得の拡大と相まって、こぞって海外に出て行くわけです。

GDP成長率の推移

新規入国者数と対円為替レートの推移

政府は日本を観光立国にすることを目標にしてますが、これは自国の産業育成を諦めたこと同義です。
外国人をたくさん受け入れて消費してもらうしか成長エンジンがないと悟ったんだと思います。だから、外国人労働者の受け入れも拡大させるのでしょ。

理想は強い円でも海外から来てもらえる魅力が日本にあることです。為替相場が今より円高に振れた時、その本当の実力が試されると思いますよ。

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