こんにちは。時短父さんです。

時短父さんは日米の高配当・連続増配株に投資していますが、日本株にも数少ない高配当の業界があります。学習塾です。今回は学習塾への投資について解説していきたいと思います。

 

投資環境

まず投資環境ですが、こちらは必ずしも楽観的ではいられません。現在の日本は人口減少、少子化が急速に進んでいて、2017年時点での学習塾の顧客層である小学生から高校生の数は、2000年に比べて16%減少しました。また国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、年少(014歳)人口は2056年には1000万人を割ると見込まれています。
小・中・高校生の人数推移

(文部科学統計要覧のデータより作成)

日本全国の年少人口は減少傾向でありますが、東京都に限って見てみると、2000年前後(142万人)を底に微増を続けており、2017年には約155万人となっています。
東京都の年少人口推移(日本人)
(東京都のデータより作成)

また文部科学省の調査によると、平成18年と平成28年では各世代における学校外活動費(学習補助、スポーツ、芸術活動含む)は以下の通りです。公立学校にでは若干の減少、私立学校では増加となっています。

公立小学生 23.7万円→21.8万円(1.9万円減少

私立小学生 56.2万円→61.3万円(5.1万円増加

 

公立中学生 30.2万円→30.1万円(0.1万円減少

私立中学生 30.4万円→32.1万円(1.7万円増加

 

公立高校生 17.7万円→17.5万円(0.2万円減少

私立高校生 26.0万円→28.5万円(2.5万円増加

 

ドミナント戦略

大手の予備校を除けば、学習塾というのは、一つまたは近隣の都道府県内に集中的に教室を開講します。例えば、早稲田アカデミー(4718)は全教室242のうち、14158%)を東京都に開校しています。学究社(9769)が運営するenaは、全教室数224のうち20893%)を東京都内に開校していて、神奈川県、埼玉県など隣接県を含めると、100%です。またステップ(9795)は全教室153を神奈川県内のみで開校しています。
何故か。それは、学習塾側からすれば、経営効率を上げられるからです。同じ県内であれば、公立学校の受験対策は一つで良いので、講師陣の質を維持しやすくなります。顧客が塾の看板(ブランド)を目にする機会も増えて、学習塾といえばあそこ!というように宣伝効果も狙えます。
早稲田アカデミーの教室地域別割合
(早稲田アカデミーサイトより作成)
enaの教室地域別割合
(学究社サイトより作成)

顧客側からすれば、地域に複数の教室があれば、同ブランドでの選択肢が増えて通学に便利になります。

これはまるで大手コンビニチェーンが展開しているドミナント戦略と同じようなものです。比較的狭いエリアに複数の店舗を展開さして、物流を効率化させ、市場を支配する経営戦略です。

多くの中堅学習塾はこの戦略で、域内のシェアを高めているのです。特に、年少人口が微増傾向である東京都における教室の割合が高い運営会社は、安定的に顧客を確保することができそうです。

 

高配当

不思議なもので、上場している学習塾運営会社は高配当で増配傾向な銘柄が多くあります。例えば、TOMASを運営するリソー教育(4714)です。現在の配当利回りは2.8%、連続増配年は4年です。その他、先ほどの学究社の配当利回りは3.3%で株主還元には安定的です。明光ネットワークジャパン(4668)の配当利回りは4.0%で、連続増配年は16年です(全て1010日現在)。

配当を出せるのは、もちろんそれなりに利益を出しているからなのでしょうが、装置産業のような莫大な設備投資が不要というのが、その理由じゃないかと思います。大きな費用と言えば、教室の家賃や講師の人件費くらいですから、一定数の生徒を集められれば、ペイするのでしょう。

 

課題

もちろん課題もあります。現状では、学習塾は国内市場に留まっている点です。私立学校の児童・生徒一人あたりの学校外活動費は増加しているとはいえ、人口減少・少子化の流れとその影響を変えることは簡単ではありません。

他業界なら、海外に活路を見出すことも可能ですが、学習塾においてはそのまま輸出するのは困難です。やり得るとすれば、運営ノウハウの輸出でしょうか。現地事情にあった形にアレンジする、現地の学習塾をコンサルティングするなどが考えられます。

 

いずれにせよ、学習塾業界は少子化においても安定的に収益を挙げられることから、投資対象として魅力的であるので、ポートフォリオの一部に組み入れておくのもアリだと思いますよ。

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