こんにちは。時短父さんです。

17日の報道によると、米ニューヨーク大学医学部は現役約440人の学生と将来の学生全員授業料を免除する奨学金を提供すると発表しました。医学部生が膨大な借金(2017年の平均額19万ドル!)を抱える可能性があるためとしています。この奨学金は毎年最大55,000ドルの授業料をカバーすることになります。またそれを可能にしたのが、2,500人以上の支援者がいたからだともしています。

このニューヨーク大学医学部の措置を受けて、2つのことが言えると思います。

一つは、寄付などの莫大な額の支援を可能にしたのは資本主義だということです。単純な計算で、毎年の学費55,000ドルが、現役学部生440人に掛かると、全体で2,420万ドル(約26億円!)の学費免除です。支援者が2500人だとしたら、支援者一人当たり約1万ドル弱の寄付をしている計算になります。しかもこの措置を今後10年間維持する財源を確保しているとも報道されていますので、一人当たりの寄付金額は10万ドル近くに上ります。支援者の多くは、同大学の理事や卒業生(つまり医者)だということですので、高所得者ではあるのでしょう。とはいえ、平均19万ドルもの借金を抱えて卒業する人がいるなかで、一般人では考えられないような10万ドルもの大金を寄付できる余裕があるのは、支援者の多くがそれなりの資産を持っているからと言えるでしょう。それはやはり資本主義システムのおかげでもあります。資本主義では、所得格差、貧富の格差が生まれるという負の側面がありますが、この格差があるからこそ、人々はより上を目指そうと努力し、社会に活力を生むのです。

もう一つは同国への留学生が今後も増え、アメリカのソフトパワーが強化されることです。ニューヨーク大学医学部の学費全額免除の措置は、今後も他大学の運営に大きな影響を与える可能性があり、同様の措置を取る大学も出てくるでしょう。BBCによると、すでに全米の医科大10校が学費免除を行っているとのことです。現在でも既に全米だけでなく世界各国からの多くの学生が集まってきますが、学費免除措置は今後もその傾向を強めることになりそうです。多くの学生が集まることで、アメリカはソフトパワーを強化することできます。ソフトパワーは、クリントン政権で国防次官補を務めた国際政治学者ジョセフ・ナイが提唱したもので、軍事力など相手をこちらから動かそうというハードパワーに対して、文化や芸術、学術など人々を惹きつける力のことを指します。アメリカンドリームという言葉に代表されるように、アメリカに行けば成功するチャンスがあると世界の人々が考え、行動し、実際にアメリカの地を踏むということが、同国のソフトパワーを強化します。アメリカに行きたいという気持ちにさせる力がソフトパワーです。人々がアメリカを目指せば、経済も良くなり、結果的にハードパワーをも強くする(好調な経済→納税額増加→軍事費増加可能)という好循環を生みます。優秀でも経済的な面で医者を目指すことを諦める学生もおり、学費免除という措置によりチャンスが生まれ、アメリカ国内だけでなく、世界から優秀な学生が集まりやすくなることは想像に難くありません。

以上のようなことから、アメリカは今後もますますその力を強化していくことになると思います。

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