こんにちは。時短父さんです。
ジュレミー・シーゲルの著書『株式投資の未来』では、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー(現在のエクソンモービル、以下XOM)がリターンの高い高配当株、バリュー株の代表例として取り上げられています。時短父さんのポートフォリオにもXOMを組み入れており、先日も買い増しました。何故、国内銘柄と比較して為替のリスクなどの変動リスクの高い米国株のXOMに投資するのでしょう。日本にもガソリンスタンドのENEOSブランドを展開するJXTGホールディングス(以下、JXTG)や出光興産、昭和シェルなどの石油元売り企業がありますが、XOMと日本の石油元売り2社(JXTGと出光興産)を比較して、XOMの優位性を説明していきたいと思います。
ビジネスモデルの比較
XOMは言わずと知れた世界的な石油メジャーです。石油の採掘から、精製、流通、販売まで、いわゆる川上から川下までを網羅した総合エネルギー会社です。
公式ホームページによれば、同社のビジネスはおもにUpstream(川上)、Downstream(川下)、Chemical(化学)の3つに分けられています。
Upstreamでは、長期的な成長のために世界的に開発を行っており、2017年には980億バレル相当の資源を加え、この分野での収益は134億ドルに上ります。また将来的な計画として、アメリカ・テキサス州におけるシェールオイル生産の成長、ブラジルでの採掘、モザンビークやパプアニューギニアでのLNG(液化天然ガス)の開発を進めていくようです。
Downstreamでは、Upstreamで生産された原油などを、世界の22か所の精製所で一般に使用可能な燃料や潤滑剤、化学製品を製造しています。これらの製品は、「Exxon」「Mobil」「Esso」などのブランドとして世界に流通しています。
Chemicalでは、16か国に拠点を持ち、高性能な商品群は素晴らしいリターンをもたらしています。拠点の半分はアメリカ(特にテキサス州などメキシコ湾岸)にあり、そこで生産されたものが世界に供給されていきます。アジアにも25%の拠点があり、そのうちシンガポールには世界最大の精製施設があります。
JXTGホールディングスは、ガソリンスタンド「ENEOS」を運営や石油化学製品の製造販売などエネルギー事業を行う「JXTGエナジー」、世界12か国で石油や天然ガスの開発など石油・天然ガス開発事業を行う「JX石油開発」、非鉄金属資源の開発など金属事業を手掛ける「JX金属」の事業会社3社を統括しています。JXTGのガソリン国内販売シェアの50%で国内1位、エネルギー事業の年間売上は9.7兆円に上ります。原油・天然ガスの生産量は日量13万バレル、確認・推定埋蔵量は660万バレルです。
出光興産は、基盤事業として燃料油(ガソリン・軽油など)、基礎化学品、再生可能エネルギーを、高機能材事業として潤滑油、機能化学品、電子材料などを、資源事業として石油・ガス・石炭などの資源開発を手掛けている石油元売り会社です。燃料油では、国内ガソリン販売15%程度のシェアを占めるとともに、ジェット燃料では「業界随一の空港給油ネットワークを有しています」(出光興産HPより)。資源開発では、主にノルウェーにて日量約3万7千バレルの原油を生産しています。
こうして見てみると、国内2社も規模は小さいながらも、自ら資源開発・採掘を行っており、Upstreamを強化していこうという姿勢が伺えます。出光興産の資源開発事業の売上高見通しは全体売上高に対して約9%、JXTGの石油・天然ガス開発事業の営業利益は全体営業利益の約7.6%です(FY2018-1Q)。一方、XOMのUpstreamの利益は全体利益の約65%を占めました(FY2018-2Q)。XOMがいかにUpstreamで稼いでいるかが分かるかと思います。国内2社の川上部門の売上・利益への貢献度が1桁台ということですが、これはつまり事業の大半が石油製品の製造・販売に依存しているということ(石油元売り企業からは脱却できていないということ)です。その石油の大元は、石油メジャーが世界各地で開発・採掘した原油ですから、結局は国内2社もXOMなどの石油メジャーから調達していることになります。どちらがより独立した事業を展開しているかは明らかですね。
過去の業績の比較
さて、以下では上記3社の業績比較を試みました。話を単純化するためにXOMの業績は1ドル110円で換算しています。
●売上高
売上規模はXOMが圧倒していますね。ここ2~3年はXOMの売上高減少に伴い、格差が縮小していますが、依然として国内2社と2倍以上の差があります。
●営業利益
売上高と同様に営業利益もXOMが国内2社を圧倒していました。国内2社は赤字が続くこともありますが、XOMは赤字を出していません。
●営業CFマージン
営業キャッシュフローを売上高で割った営業CFマージンの比較です。XOMはコンスタントに11~12%を出していますが(FY2013データなし)、国内2社は1桁台ですが、グラフは乱高下しています。事業からより効率よくキャッシュを生み出しているのはXOMと言えそうです。
●1株配
こちらも文句なくXOMに軍配が上がりますね。連続増配株の代表というだけあって、右肩上がりです。よく見たいのが、FY2015~FY2016で営業利益が大幅に減少しているにも関わらず、増配を続けている点です。利益が増えている時に増配するのは当たり前。利益が出にくい時にも増配するというのは、きっと一種の経営ポリシーなのでしょう。
いかがだったでしょうか?一口に石油会社といっても、その実態は様々だということが、ご理解頂けたと思います。そしてXOMに投資する方が投資リターンが大きい理由も分かっていただけたのではないかと思います。あなたならどちらに投資しますか?![]()
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